“鉄道写真の基本のき2 鉄道写真に必要なカメラ
鉄道写真の基本のき1 鉄道写真を大枠で掴もう「主な鉄道写真」
の続きとなる第2弾です。前回は、いろいろな鉄道写真の種類について説明しましたが、今回は鉄道写真に必要なレンズとカメラを考えますと言いましたが、今回はカメラだけをフィーチャーします。
鉄道写真(特に走行写真)を撮るカメラに必要なポイント
(1)動き物を撮影するので、ビューファインダーはタイムラグがないものが良い
(2)暗いところでも高速シャッターが切れるように感度を上げてもノイズが増えにくい
(3)走行写真を撮るには連写性能が高い方が撮り逃しにくい
これらを満たすカメラ=一眼レフカメラとなります。今流行りのミラーレスカメラでも、最近は性能が上がってきており、タイムラグは短くなり、レンズが充実しているのであれば悪く無い選択肢となってきていますが、2nd-trainの投稿データを見る限り、まだまだ鉄道写真向けには普及率が上がっていないようです。
カメラ選びにあたっては、以下のポイントを配慮して選べば良いと思います。
(1)画素数
画素数はいかに細かい描写まで写せるかを示しています。画素数が高いと、同じセンサーの大きさでは、一画素あたりの光を受ける量が小さくなるため、感度が悪くなるというデメリットがあります。そのため、画素数が高ければ良いというものではありません。また、画素数が高いと、レンズの解像度が追いつかなかったり、簡単に被写体ブレ、手ブレをしたりします。特に新幹線など動きが早いものを撮る時は要注意です。
(2)ISO感度
ISO感度が高いエリアまで対応しているカメラでは、暗いところでも走行写真が撮ることができたりします。
(3)ファインダー視野率
ファインダー視野率が高く100%であれば、ファインダーで見えている領域=カメラで映る領域となります。95%等であれば端の部分が映らないため、ファインダーでは細かい構図まで完璧なものにするのは難しくなります。
(4)連写性能
連写性能が高ければ複数のカットを確保できたりするため、失敗リスクが下がります。
(5)AFポイント数
置きピンで撮影する場合はあまり重要ではありませんが、動体予測AF(AIサーボAF)を使うことによって連写撮影をする場合は、必要となってきて、写真の成功率に差が出ます。
(6)質量
重さによって遠征の楽さが変わってくるのは間違い無いでしょう。
(7)レンズ倍率
いわゆる、撮影センサーの大きさによって、レンズが35mm換算で何倍になるかを示しています。1.5倍や1.6倍というのは、70-200mmのレンズが112-320mmのレンズになるように、焦点距離が1.6倍になることを示します。鉄道写真では、これがかなり大きく、70-200mmのレンズでほとんどの走行写真をカバーすることが出来るようになります。また、望遠レンズを多用する飛行機撮影も行う人にとってはかなりのアドバンテージになります。(100-400mmのレンズが160-640mmになるため)
今回この記事では、2nd-trainの投稿者の多くが使っているレベルの一眼レフカメラに焦点を当てて紹介して行きます。なお、カメラについてはハイアマチュア向けまでを掲載範囲としています。(一部未発売のものを含みます)
(a)キャノン編
EOS 5D Mark IV | EOS 7D MarkII | EOS 80D | EOS KissX9 | |
画素数 | 3040万画素 | 2020万画素 | 2420万画素 | 2420万画素 |
ISO感度 | 100~12800 | 100〜6400 | 100〜6400 | 100〜25600 |
ファインダー 視野率 | 100% | 100% | 100% | 95% |
連写性能 | 7.0コマ/秒 | 10コマ/秒 | 7.0コマ/秒 | 5.0コマ/秒 |
AFポイント | 61点 | 65点 | 45点 | 9点 |
質量 | 890g | 910g | 730g | 453g |
レンズ倍率 | 1.0倍 | 1.6倍 | 1.6倍 | 1.6倍 |
実売価格 | 35万程度 | 13万程度 | 10万程度 | 6万程度 |
購入 | ここから買う | ここから買う | ここから買う | ここから買う |
風景写真を重視して撮る人は5D、走行写真を重視して撮る人は7Dというケースが多いです。なお、5Dの画質はとても素晴らしいらしいですが、その性能を使い切るには、片っ端からLレンズを揃える必要があり、レンズにお金をかけられる人だけ買うべきだともよく言われます。
(b)ニコン編
D810 | D500 | D7500 | D3400 | |
画素数 | 3635万画素 | 2088万画素 | 2088万画素 | 2416万画素 |
ISO感度 | 64-12800 | 100-51200 | 100-51200 | 100-25600 |
ファインダー 視野率 | 100% | 100% | 100% | 95% |
連写性能 | 5コマ/秒 | 10コマ/秒 | 8コマ/秒 | 5コマ/秒 |
AFポイント | 51点 | 153点 | 51点 | 11点 |
質量 | 980g | 860g | 720g | 445g |
レンズ倍率 | 1.0倍 | 1.5倍 | 1.5倍 | 1.5倍 |
実売価格 | 24万 | 20万 | 13万 | 5万 |
購入 | ここから買う | ここから買う | ここから買う | ここから買う |
キャノン同様、風景写真を重視して撮る人はD810、走行写真を重視して撮る人はD500/D7500というケースが多いです。ニコンの特徴はキャノンで言う7Dの上位版的存在であるD500の存在でしょうか。
次回は走行写真を撮るのに必要なレンズを紹介していきます。